「……で、車ってホテルでも行くの?」



「……ぶっ!?な、ななな!!」



黒野諒をすごくニヤけた顔で見る祥先輩。
その言葉に吹き出した私にみんなの視線が戻ってくる。
な、何言ってんの……この人達!?



「ん?俺はホテルでもいいけど、子猫ちゃんが、ね?」




「……っ!!やめて!!」




いくら振り払っても肩に巻き付いてくる黒野諒の手。
それを振り解こうとしたら今度は引き寄せられると同時に頭になにか柔らかいものが当たる。




今……何した、こいつ?
もしかしてだけどさ……頭にキスした……?




「……っ!?」




危険人物である黒野諒から逃げるように離れるとさっきまで煩かった部屋が静かになっていることに今、気付いた。
え……な、何?




部屋中を見回すと皆、私と黒野諒を見ていた。
しかも、驚いた顔をして。