「大変なんだって!!諒が!!」



「諒がなんだよ、変わんねぇーだろ。いつも女連れ歩いてる露出狂じゃねぇーか」



そう言って睨むように黒野諒を見て言う金髪くん。
うん……露出狂だよね、そう思うよ。



「総長は、何も変わってない」



総長……?
紫髪の子が黒野諒を見てそう言う。
総長って……あの迷惑集団の暴走族の?
夜中に警察を茶化して遊んでるあの集団?



「…………」



隣に立ってる黒野諒を見上げる。
この女たらしが……総長!?



でも、この怪しい廃墟にバイクや厳つい男がいっぱいいたことが納得できるな……。




「何、子猫ちゃん?」



私が見てることに気付くと前屈みになって顔を近づけてくる。
近い!!




「近いっ!!なんでもないから」




黒野諒から逃れるように後ろに後退る。




「……この子、初めて見るっすね!!諒さん」




「……っ!!」




赤髪のワンコみたいな子がいつの間にか私の前まで来ていてビックリした。
なんでかすごく目がキラキラしてるし。





「そうだよ、蒼矢。俺の新しい子猫ちゃんだよ」





そう言うと何故か黒野諒の手が私の肩に伸びてきて引き寄せられる。





「さすが、諒さんっす!!」




いやいや、尊敬するところじゃないだろこれは!!




「……離してっ!!」





「「「…………え」」」