ー朝ー。

『ピピピピッピピピピッ』

「ん…」

けたたましい目覚まし時計の音で目が覚める。


『カチッ』

まだうとうとしながらも、うるさい時計を止めて起きあがる。


「ふわぁぁ…今日休みなのに…。」

時間を見ようとケータイを確認すると、メールが1件きていた。

「あ、美玲ちゃんからだ…」

『ピッ』



開いてみると、部室行って課題進めちゃわない?というメールだった。

ちょうど今日休みだから、気分転換にいこうかな。美玲ちゃんに恋の色が決まったってことも話したいし!

「『わかった。支度したら部室いくね。』…と。じゃあさっそく支度しちゃわなきゃっ」

ベッドからおりて、制服に着替える。休みなのに制服って言うのも気が進まないけど、校則だし…ね。

「あっ、スケッチブック忘れるところだった!」

高橋くんに恋したあの日から、高橋くんの練習姿を描いていたこのスケッチブックをわすれたらダメだよね。

「すぐ取り出せるように、ここに…わわ、落ちそう!でもまぁ、大丈夫だよね。」

私はスケッチブックをスクールバッグの脇に入れた。

髪を手早くまとめて、顔を洗って、テーブルにおかれたパンを少し食べて家を出た。

「行ってきますっ」