さっきの女の子にかけた
優しい声とは正反対。


冷たい。寒いな。






「空……。」

店の中に入ろうとする背中に
小さく呟く。

立ち止まる足。


「お願い。
わがままはこれで
最後にするから……」


涙が溢れる。



‘‘終わり”は
私が作ってあげるから。

だから…


「明日の卒業式、
絶対に来て。
…待ってるから。」




空は振り返ることなく
賑やかな店内に消えて行った。