俺はいつもそうだ、小さい頃からそうだった。

俺のオヤジは、俺がまだ産まれてない時...いや、もう産まれてたのかな。そんな母ちゃんが大変な時にオヤジは何やってたのかは知らないけれど、病院へ来る途中で、交通事故にあい、死んでしまった。小さな子供を助けたらしい。全く、俺が産まれるって時に何やってんだ。

母ちゃんが話してくれたのはここまでだった。まぁ一回くらいは''オヤジ''って呼んでみたかったな。そんな事を思っても、居ないものはしょうがない。その頃から

オヤジはその時なにをしてたんだ?
あぁ、オヤジは他の子を守って俺を捨てたのか。
じゃあオヤジはなんで居なかったんだ?あぁ、オヤジは俺の事大事に思ってなかったんだ。
人のために命捨てるなんて、すげぇよ。
でも、人のために捨てられるなんて、ひでぇよ。

そっか、じゃあ大事なものを捨てないために、俺は余計な事をしないでいよう。

そんなことを考えてしまった。これが俺の結論だった。

昔の事は頭の隅にある。
それが、フッと思い出す事がある。いやな思い出。でも、捨てたくはない俺の大事な思い出。