「青原風架って言います。これからよろしく!」
新入部員としてみんなの前で挨拶する。
一礼してからニッコリ笑顔。
ここには確かあっちゃんと慶也がいるはず。
あっちゃんこと川崎亜子。
私と同じクラスで幼なじみ。
慶也こと高原慶也。
去年から同じクラス。
2人とも結構仲がいい。
良かった。この2人が陸部にいて。
自己紹介が終了し、あっちゃんの隣に座って菊池先生の話を聞く。
今日の練習メニューだそうだ。
ウォーミングアップ、外周、100m走、タイム測定。
今日はこの4つだそうだ。
普段どんな練習してるんだろ。
なんか皆ホッとしてるよ…。
「よしっ、てことで練習に行けー。」
と先生の号令で皆それぞれウォーミングアップするために散った。
その頃合いを見計らったかのように、
私の肩をトントンと誰かが叩いた。
後ろを振り返ると、あっちゃんが立っていた。
驚いた様子で。
「どうしたのよ突然。」
「うん。やってみようかなーって思って。」
質問してきたあっちゃんに向けてニカッて笑って見せた。
なんか、よく笑ってるな。私。
「そっか。じゃ、頑張りなよ。死なない程度に。」
なんて意味がわからないことを言ってウォーミングアップをしに行った。
首を傾げながら私もウォーミングアップをしようと思った。
…。
何すりゃいいんだ。
陸上初心者の私は何をしようにもまず、説明してもらわないとわからない。
ウォーミングアップって、体操?
なんて思いながら先生を探す。
でも、周りをキョロキョロと探してみても先生の姿は見当たらない。
…どうしよう。
どうしていいかわからず腕を組み右往左往歩いていると。