『いただきますッ!』
3人で手を合わせて言った。
スプーンを持ち、シチューを一口食べる。
「おいしーッ!」
おっぺが落ちるんではないかというくらい美味しい。
私が思うにお父さんのご飯はわりと世界1だよね。
私と風斗はガツガツと食べ進める。
それをお父さんはにっこりと見ている。
「なぁ、風架。部活上手くいってるか?」
いきなり真剣な顔で聞いてきたお父さん。
突然なことだったから少しびっくりした。
でも答えはもちろん
「当たり前じゃん!」
の一言。
これ意外に言う言葉は全くといっていいほどない。
今日は少しあれだったけど。
「そうか。今年はインターハイ行けそうか?」
行きたい。
いや、
行ってやるさ。
一昨年や去年みたいな悔しい思いはもう一生したくない。
私はお父さんの目をまっすぐ見てこう答えた。
「行ってやるさ。ううん。行けるに決まってる。」
私たちは数秒真剣な目で見つめあった。
5秒。
いや、もう少し短かったかな。
でも、私には長く感じられた。
見つめあったあとお父さんはふわりと笑った。
「そうか、よかったな。
頑張れよ。」
って言った。
____嬉しい。
わかった。頑張るよ。
絶対勝ってみせるよ。
勝って、金メダル。
お父さんの首にかけてあげる。
それまで、もう少し待ってて。