今の私は口元が引きつっていてすんごい顔になっているだろう。

いや、ね。

前に見たことがあるんだよ。

鬼の形相の先生に追いかけられている我らの仲間。
長谷部巧介。

あれは可哀想だった。


体力が限界になるまで追いかけられて、
捕まったと思ったら1時間正座で説教されてた。

肩で息しながら正座で説教されてんだもん。

同情しない人はいない。


で、この状況はちょっと。

いや、かなりやばいです。



「青原、お前は…。」

呆れた様子の先生。

先生は私の襟を離し、今の今まで宙ぶらりんになっていた私を下ろす。


そして私は即座に土下座をした。



「どうか、命だけはご勘弁を。」


周りからクスクスと笑い声が聞こえる。


きっと皆が今の状況を見て笑っているのだろな。


だって、
仁王立ちして私を見下ろしている先生の前で土下座して命拾いしている私。


笑わない要素がどこにある。



後で覚えておけ。
笑ったやつ

今度はお前らを地獄へ落としてやる。



歯をギリリと食いしばる。



そのあと、
私は部活どころではなくなりました。