それから、あたしが目を覚めると明日香がソファに座っていた。

あたしはベッドから降りて、明日香に近寄った。

『明日香?遅いよ…』

――えっ?

明日香…なの?
ソファにいたのは明日香。だけど、あたしが見た明日香は、紛れもなく…薬をした後だった。

――嘘…だよね…?

あたしは、信じたくなくて家から飛び出した。

――何…あれ…

明日香じゃない。あんなの明日香じゃないよ…

あたしは、初めて明日香が彼氏が来た時に、あんな顔をしたことを思い出した。

それに、前に明日香に言われた言葉を思い出したんだ。

【後悔してる事たくさんあるんだ】

それは…薬の事だったの…あたしは、近くにいたのに、気づけなかった無力感に、悔しかった。

ねぇ?明日香…。あたしが守るから。

だから…

守る?いつか誰かに言われた。そう言われれば、加奈枝に言われた。

だけど、守るなんて…出来ないって思ってた。それなのに、あたしは今…明日香を守りたいって思ってる。加奈枝も、あの時同じ気持ちだったのかな?

今更気付いたよ。守るって加奈枝が言った意味が…