「おい!大丈夫かよ?ってアザになってるし、なにしたんだよ?」
『ちょっと思いっきり、ぶつけてちゃって』
そういうと、聖斗が「少し待ってろ」とか言って、部室に走っていった。
「調子に乗りすぎ。」
そう言うと、向井葉月があたしを蹴ろうとした時
「美夕夏、」
その声と同時に、葉月の足が止まった。葉月は聖斗の方を振り向き、あたしとは違う表情をした。
「ほらっ貼っとけ!シップ」
『えっ?いいよ!別にほっとけば』
そうあたしが言うと、聖斗がシップをあたしのアザになっているところに、貼ってくれた。
『ありがとう…』
だけど、立とうとすると足が痛んでしまって、
「ほら」
そう言った聖斗はしゃがんで、背中をトントンとした。
――おっおんぶ?!
まだ背中を叩いて、おんぶ体制の聖斗。
だけど、それを見た向井葉月があたしを睨んだ。
――ダサいのはどっちよ…
と思いながら、あたしは向井葉月の方を向いて、ニコッってしてから、あたしは聖斗の背中に乗った。
「向井、この荷物玄関まで持ってきてくれねぇ?」
聖斗が向井葉月にそういうと、「うん」とは言ったものの、絶対に内心はあたしをいじめたくてウズウズしている事くらい、あたしは知っていた。