あたしはついに、向井葉月の獲物になったということ?
『そんなのあたしの勝手でしょ?』
あたしは少し歯向かってみた。
だって、聖斗とは一緒にいたいし…それにあたしも、聖斗が好きだから。
「別に私はいいんだよ。美夕夏さんが、危ないだけだから(笑)」
そう言うと、周り何人かの葉月さんといつも一緒にいる女子が集まってきた。
『…………』
あたしは黙った。だけどすぐに、あたしは
『勝手にすれば』
とだけ言って、屋上から出ていった。
後ろからは、笑い声とか「ウザッ」とか「可哀想」とかの声。
別にいいよ。聖斗といれれば何があったって…
聖斗が気づいたら…きっと心配するよね?でも…
あたしは、そう思って聖斗に言うのをやめた。
言ったって、どうにもなる事じゃないし。
そう思いながら、加奈枝のいる教室に向かった。
あの時…言うことを聞いていれば、遠回りしなくても、すんだかもしれない。
だけどね…あたしは立ち向かう事に決めたんだ。