「そうなんだ★」

葉月は安心した様に、さっきとは違い笑顔になった。

――怖いんだけど…

「じゃあ話しが早い^_^」

向井葉月の笑顔…それはあり得ない程、怖かった。

『何が?』

あたしは恐る恐ると、口に出した。

「三浦クンに近づかないで」

――はっ?なんで…

『どうして?』

知っている。葉月さんは聖斗の事が好きで、バスケ部のマネージャーをしている。だから…きっと。

「好きだから」

そう言うと向井葉月は、あたしを屋上のフェンスに押した。

「三浦クンがね…美夕夏さんをマネージャーにしたらって言ったらしいの。」

『え?』

少し前に、聖斗から言われていた。だけど、聖斗が本気で言ったなんて知らなかった。

「三浦クンに近づいてもらっちゃ、私の立場がないんだ。だから、三浦クンに近づかないで(笑)」

嫌な笑みで、あたしを見る。

今まで聞いた事があった。マネージャーになった子達が、向井葉月のせいで辞めたという話し。
それに、聖斗に近づいた人は知らないうちに、聖斗から離れていく話しも…

それは…この人のせいだったんだ。