聖斗は、夕聖に愛されてるよ。あたしも聖斗を愛してる。

だけど、体だけの聖斗といる時間は短くて、半端なく悲しかった。
明日香と同じで、火の中に入るのを想像しただけで、イヤだと思ってしまう。

そして、あたしと夕聖は眠った。

お葬式当日。

クラスのみんなが来てくれた。あの日みんなは、聖斗が旅立つのを一緒に見守ってくれた。
聖斗…よかったね。みんな来てくれてるよ…

「美夕夏!」

――えっ!?

あたしは振り返った。今一瞬…聖斗の声がした気が…。

「美夕夏?」

違かった。加奈枝だった…。そうだよね。聖斗じゃないよ。現実見なきゃ…。
そう思えば思うほど、やっぱり辛くて涙が流れた。

ギュッ―――

「美夕夏は一人じゃないよ!あたしがいる。みんながいる。お母さんもいる…それに、夕聖君もいる…。そりゃあ、美夕夏は大切なもの、たくさん亡くしてきたよ。でも今は、夕聖君もいるんだよ。聖斗君も…そばにいないけどちゃんと、美夕夏を守ってる。でも、辛い時があると思う…そんな辛い時は、あたしに頼ってよ。ねぇ…」

そう言って、加奈枝はあたしを抱き締めてくれた。
あたしはそんな加奈枝の胸の中で、泣きじゃくった。