そして、昔みたいにあたしの元には聖斗は帰ってくる事はなくなった。

本当の別れになってしまった。

次の日。
聖斗のお通夜だった…
あたしは、夕聖をお母さんに預けて空を眺めていた。

バイバイって言ったものの、あたしはまだ受け入れる事は出来なかった。

『……セイト』

あたしは、何度か聖斗の名前を呼んだ。呼んでも、聖斗は返事もしてくれない。
体はココにあるのに、魂は…ない。

辛いよ。怖いよ。
聖斗…助けてよ。何回もあたしは粒やいていた。

「―――パァパァ」

――えっ?

あたしが振り返ると、夕聖とお母さん。
お母さんもびっくりしていて…今、夕聖はパパってはっきりパパって言ったよね。

『夕聖?夕聖!すごいね。すごいよ!』

こんなさっきまで、辛くて怖かったのに…夕聖がパパって言った瞬間、嬉しかった。今までは、ふぁふぁって言ってたけれど、あまり発音がちがくてパパには聞こえなかった。なのに…

あたしは、ギュッと夕聖を抱き締めた。
強くならなきゃ…聖斗が言ったように、強くならなきゃ。

あたしは、そう思った。

聖斗…君が消えた次の日に、夕聖は君を覚えていてくれたよ。あたしよりも、聖斗の事呼んでくれてるよ。