「美夕夏…ゴメンな…。」

――なんで謝るの?死んじゃうみたいだよ…

「そうだよ…美夕夏。美夕夏?美夕夏なら、夕聖を育ていける力があるよ。」

――ないよ。そんなの…聖斗がいなきゃ!

「俺は見守ってやるから。美夕夏の頑張りを見てるから…」

――バカじゃないの…あたしはそんなに、強くないよ。

「強くなるんだよ。夕聖のために。なぁ!美夕夏…バイバイしようぜ。美夕夏がバイバイって言えれば、強くなった証拠だから」

――そんなの…できないよ!

その瞬間、あたしの頭の上にぬくもりを感じて、目を覚ました。

『聖斗!』

だけど、それは聖斗じゃなくて…夕聖だった。

「こんなところで…。美夕夏ちゃんったら(笑)」

お母さんと夕聖がいた。そして、お母さんは聖斗を見る。
もしかして…そう思って聖斗を見ても、

「このままじゃ…可哀想ね。腐るだけだもんね…」

お母さんは悲しい顔した。このまま腐る…。そんなの…

その時、夢で見た聖斗を思いだした。
【バイバイ】って…言ったら強くなった証拠。

そう聖斗が言った事を。
あたしは、病室から走ってある場所に向かった。