あたしは、夕聖と聖斗を明日香に紹介した後、本当なら夕聖を明日香に抱かさせてやりたかったって…本気で思ったんだよ。
明日香の分まで幸せになろうって、本気で思った。

それから何日かたつと、聖斗は仕事が増えた。
夕聖のためや、生活するために聖斗は週1・2回しか休みがなくなった。
それが普通なんだろうけど、普通あたし達は今、高校生。だから、そう思ってしまう。

夜遅く帰ってくる聖斗を、あたしは帰ってくるまで待った。
だけど、昔みたいに帰って来てすぐにあたし、ってのはなくなって、今は夕聖ばかり。
そんな聖斗を見ると、やっぱり聖斗を好きになってよかったってつくづく思う。

だけど、今日の聖斗は夕聖の顔を見るとすぐに、リビングに来て

「美夕夏、話がある」

って深刻そうに言った。あたしは、聖斗の横に座ると。

「結婚しよう…」

そう言って、ポケットから指輪を出して、あたしの薬指にはめた。

あたしは、嬉しくて嬉しすぎて、涙が流れた。
結婚っていうのは分かっていた。だけどこんなにも、プロポーズが嬉しいなんてあたしは、君に出会って知ったよ。

『聖斗…大好き』

あたしは聖斗の胸の中に飛込んだ。