ある日の夜中。
あたしは、お腹の激痛で目が覚めた。
陣痛がきた――
あたしは、聖斗を起こした。あたしの異変に気付いた聖斗は、すぐに病院に電話をしてくれて、お母さん達にも電話をしてくれた。
それからすぐに、救急車は来てあたしは病院に向かった。
お母さんになるための激痛。それはすごくすごく痛くて、お腹が破けてしまいそうだった。
聖斗はあたしの手を握って、何度も何度も
「美夕夏頑張れっ」
て言ってくれた。
それから、何時間も息んだかいもあって…
赤ちゃんは生まれた。
男の子で…顔はお猿さんみたいな顔。
2800gのかわいいかわいい、あたしと聖斗の子供。
あたしと聖斗はやっと、親になれたんだ。
「美夕夏…頑張ったな」
聖斗は赤ちゃんを抱くと、今までにないくらいの笑顔になっていた。
「美夕夏」
そう言ってあたしは、あたし達の子供を抱くと、可愛くて可愛くて、すごく嬉しかった。
『生まれてきてくれて、ありがとう』
本当にそんな言葉しか、言えないんだね。幸せすぎて…