それからあたし達は、学校をやめて二人で生活をしていた。
お父さんになる聖斗は仕事を探すために、雑誌とにらめっこしている。
バイト一つじゃ、生活が出来なくて、聖斗は毎日時給がいいバイトを探していた。あたしはというと、家で出来る内職をしていた。
『聖斗、無理しちゃダメだからね』
あたしはいつも、心配だった。赤ちゃんが生まれる前に、倒れられたら困る。
「大丈夫だから。それより腹でっかくなったな♪」
そう言ってお腹を撫でる聖斗。
もう学校を辞めて4ヶ月。夏がすぎて、秋になっていた。あと何ヶ月で、生まれてくる新しい命。
『頑張ってるんだもん、赤ちゃんも。でも聖斗に似て、バカだったらどうしよっか?(笑)』
そういって、親バカになりそうな聖斗に言うと
「美夕夏みたいに、変な道に行ったらどうしよー」
とか言って、あたしをバカにしてくる。
それがあたし達の日常になっていた。