今日は今まで、聖斗が頑張って練習してきた、試合の日だった。

試合の場所は、みんな盛り上がっていた。そこに、あたしは加奈枝と二人で来ていた。

『聖斗!!!頑張って!!』

あたしは叫んで、応援した。聖斗はあたしが、叫ぶと手を上げて

「おぅ♪」

って言った。その手には、あたしがあげたミサンガ。
試合中もあたしと聖斗は、近くにいる。そういう意味のもの。

そして試合が始まった。

周りの学校は、すごい声援であたしも加奈枝も、負けじと応援した。

「聖斗!頑張って!!」

『聖斗!!!!』

あたしは、応援している時はすごく幸せで、幸せで、胸の中はドキドキだった。

バンッ――シュッ

その音と共に、違う学校の喜びの声が上がった。

『最悪…』

一点取られた聖斗たち。だけど、聖斗たちにもまだ、時間がある。

『聖斗!!!』

あたしは叫んで叫んだ。

だけど聖斗…もうこんなに、君の名前を叫ぶ事もないんだね。叫ぶとしても、悲しみと共に叫ぶことになるんだね。

それからは、あたしの大好きな聖斗がボールと走る音を、聞き続けた。

シュッ―――

その瞬間、聖斗が叫んだ声が聞こえた。