『違う!さっき…聞いちゃったの…電話の内容…。聞くつもりなかったの』

そう言うと、聖斗はあたしの顔を見た。
久々に聖斗が、あたしの目を見てくれた。
久々にあたしとしゃべってくれた。
全てが久々だった。

「どっから聞いてたんだよ」

『手を出すなって、ところから聞いた』

そういうと、聖斗は話始めてくれた。

「あの日、お前を帰らせただろ?俺がお前と付き合った日から、別れろって言われてたんだよ。明菜から。「あたしにもう一度でいいから…」っとか言ってきてさ。それで、あの日明菜とお前が会った時、もう危ないって思ったんだよ。そんな事思っていたら、俺ら離れ始めただろ?それで今だって思って…美夕夏と別れた」

聖斗はあたしの事を考えて。なのに、あたしは…バカみたいな事しか考えていなかったんだ。
ごめんね…聖斗。

なんで気付かなかったの、あたし。

聖斗に聞いてしまって、あたしは聖斗を思い始めてるあたしが…いる。

真実を知ってしまえば、あたしは…わからなくなっていく。

あたしは、パニックになって…

『ゴメン…』

そう言って、聖斗の話だけを聞いて…逃げてしまった。