――暇だぁー暇だぁ
そう思いながら、あたしは屋上に向かった。
でも、今は誰もいないはずの屋上のドアが開いていた。
――なんだろ?閉め忘れかな?
そう思いながら、ドアの近くにいくと誰かの声が聞こえた。
――誰?
あたしは少し覗くと、そこには聖斗がいた。
考えてみれば、教室にいなかった事を思い出した。
聖斗はあたしになんか、気づかないで電話をしてる。
あたしはその時どうせ、あの時の元カノなんだろう…って思って、階段を降りようとした時。
「……お前には関係ないだろ!美夕夏になんかしたら、絶対に許さねぇから!!」
――えっ?今…
「だから、言ってんだろ!お前には関係ない…それに、明菜が言ったんだろ。別れないと美夕夏に手をだすって。だから…、別れたんだろ…」
――聖斗…
あたしは、聞いちゃいけない話を聞いた。
今更聞いてしまっても、遅い話を…。
なのに…どうして。今、あたしは何を聞いてしまったの…。って動揺している
真実を知ってしまった事に…。
それにあたしはずっと、元カノの方が大事なんだと思っていたから…なのに。
聖斗は…あんな悲しい声で…あんな事を一人で抱えていたなんて。
あたしの勘違いで、あたしの無力さだと…知ってしまった。