――やばい!お母さんに怒られる!

あたしは、走った。
その時、あたしの前に車が止まった。

――何?

あたしは、車の横を通ろうとしたとき

「美夕夏送ってく」

それは、春だった。加奈枝の家からあたしの家まで、結構距離があって、すごく助かった。

『まじで☆ありがとう』

そういうと、春は車のドアを開けてくれて、あたしは助手席に座った。

春の車の中は、春になったばかりの外の寒さとは違って、温かかった。
そして、ほんわかと香水の匂いがした。

「どっち行ったらいいの?」

『ここを真っ直ぐ行ったら、左に曲がる♪』

そうあたしが言うと、春は車を走らせた。

『春?なんで来たの?』

「2時に、高校生が外にいたらやっかいだろ。気が付けよな(笑)」

言われてみれば、今は2時。高校生が、うろちょろしている時間ではない。

『だね』

あたしは、その帰りあの公園の前を通った。
その時、公園には誰かがいた。女と男の、なんか…悲しいような光景に見えた。

あたしと聖斗みたいな。

それをあたしは、春が運転する車で横切った。

春とたくさん話をしていた時、

『あっ!そこ!』

家が見えて、あたしがそう言うと、春はあたしの家の前で停めてくれた。