そして今は、加奈枝の家。
大学生が三人と、あたし達二人と加奈枝の親友で、含めて六人。
合コンが始まってから、約1時間近く…
――つまらない
あたしは、五人が楽しんでるのを見ながら、ソファで携帯をいじっていた。
「美夕夏ちゃんだっけ?」
そう言って、誰かがあたしの横に座った。
『そうですけど…』
あたしは、この人の名前はわからなかった。自己紹介の時にあたしはずっと、流していたし、覚える気もなかったから。
「つまらないよね?大学生なんてさ(笑)」
――えっ?
「アハハ♪満更でもなさそうだね☆俺もあんまりこんな事したことないんだよねぇ」
あたしは、なんとなくだけど…あたしと何かが似てるって思った。
そして…あたしは、なぜか気持ちが動き始めた。
『……マエ…』
「えっ!?なんて言った?」
あたしは、恥ずかしがりながら
『…名前…は?』
そういって、聞いた。
「あー。聞いてなかったんだね(笑)俺の名前は、春樹♪春でいいから」
そう春に言われて、あたしは笑顔で
『あたしも美夕夏でいいから☆』
あの時以来、初めてかもしれない。こんなにも、人に関心をもったのは。
「おう☆美夕夏な♪」
あたしは、ニコッて笑って頷いた。