「俺のに手だすなよ」

諦めてた時に聞こえた声
男の人...?

「誰だよお前。るなは俺のだよ?」

「ふっ嫌がられてるじゃねーか」

「っ!お前っ!」

やだ!殴られちゃう!

そう思ってたとき、突然握られた手。

大きくてあたしの手なんかすぐ隠れちゃう

「逃げんぞ」

「へ?」

「っ!はやく!」









「ハァハァ...速い...。」

「あ?お前が遅いんだよ」

何この人!初対面のくせに...


そうだ!感謝しなきゃ

「あ、ありがと」

「あ?おぉ。お前さ...なんで叫ばなかったの?脅されてた?」

否定ができない。
だって、そのとおりだったから

「俺、健。松本健。何かあったら言ってこい」

その言葉が聞きたかったのかも...

今まで誰かに頼ることなんてありえなかった
ずっとずっと1人で我慢してた

「...っ...あり...がとぅ...」

涙が止まらなかった
嬉しくて嬉しくて

男の子は泣く子が好きじゃないと
勝手に思ってた

だけど...この人。
松本健だけは
泣き止むまであたしの隣にいたんだ。