「るーなっ!何してんの?」
「柚!散歩ー。」
「あれ?健くん一緒じゃないの?」
「写真撮ってたからね。」


すねてないもん。
仕方のないことだから。


「ちょっと!健くん出てるじゃん!」

へ?
あ!!リレーに出るんだった!

「健くん走るよ!!」

柚にそう言われ見えるとこまで走った。



「たけるーー!!!!」

2番でバトンを渡された健
ぬけるかな…?

叫ぶけど絶対聞こえてないや。




グングン加速して
あっという間に1位になった健



「るな…?何泣いてんの!健くんのところに行っておいで。」

「うん…」



とは言いながら来たものの
「人多すぎる…」

もーやだ。人混み。
健なんて後輩に囲まれてるし。


───ギュッ───

「健…?」
すぐにわかった。

「俺速かったでしょ?」
「うん。速かった」

「カッコ良かったでしょ?」
「うん。」

「またモテちゃうなー」

またそう言うこという

嫉妬じゃないけどバッと健から離れた。

「すねてんの?」
「すねてないもん」
「ほっぺ膨れてんぞ」
「元からだから」

あーあ。
またケンカになっちゃう


『松本先輩!写真いいですか!?』

聞こえる距離で言ってるのに
反応しない健。

「撮ってきなよ」

あたしが言っても無視

『あのすいませ…「わりぃ」』

その子の言葉を遮った健

グッとあたしを引き寄せた。

「コイツがすねちゃうから写真おしまい」

そう言ってあたしの頭をグシャグシャした


もうやだ。
ほんと大好き。