───ガラガラ。

「・・・。」
「・・・。」

何この沈黙。
あたし...喋った方がいいのかな?


「あのさ、」
先に沈黙を破ったのは松本健だった

「お前、隙ありすぎ。」
「へ?」
「てか、なんであの男がお前につきまとってんの?」
「そ...れは...」

言いたくない。
あたしの過去なんか...

「ゆっくりでいいから。言え」

「あたしのこと...嫌いになるよ」

「・・・。ならねぇ」

松本健が言った言葉を
信じていいの?


「言えるか?」
そう言って隣に座った松本健

言おう。

「あ..たしね、直也と中学の時付き合ってたの。付き合えたときはすごく嬉しかった
でも、直也は女遊びが激しかった。最初は許してた、好きだったから」

「おう。」

「でも日を重ねるごとに辛くなって、あたしから別れを告げたの。」

「じゃあ、なんで今...?」

「もうすぐ卒業ってときに......っ......
襲われたの......」

そういった瞬間、松本健がいなくなるのがわかった。

やっぱりあたしは汚らわしいんだ。


「っ...ぅうっ。嫌われちゃった...」

涙が止まらなくて

思い出したくないことが蘇ってきた

「るな...。俺はお前を嫌いになんかならねぇ」

とつぜん後ろから聞こえた

「ん...。泣くな。」

そういってあたしにタオルを渡してきた


「松本健...」

「言ったろ?嫌いになんかならねぇ」
そう言いながらあたしを優しく抱きしめた


だけどすぐに体を離して
「わりぃ。怖いか...?」
そう聞いてきた。

きっと前のことを気にしてるんだ

あたしは嬉しくて首を横に振った

「大丈夫。」










ねぇ、あたし...
アンタのこと好きみたい。