「ハル〜!!写真撮ろ!!」




家の近くにある桜の木。春になったらすごく綺麗に咲く。



私がずっと大好きな桜。




でもね。私が桜を好きな理由はもうひとつあるの。



ハルと桜ってすごく似てるの。



綺麗で、潔くて。




ハルにそっくり。



ハルは渋々といった感じで私について来る。



でもナシにはできないって分かってるはず。だってこれは、私たちが小さい頃からやってることだから。



「また今年もやんのかよ…」



「いいじゃないの。ほら、いくよ!」



カシャ。



心地のいい音を2、3回鳴らす。



「よし!」



それが、ハルと撮った最後の写真。



まだ、私の財布の中に入っている。