夏服に衣替えになりました。桐谷さんは私のことを架澄と読んでくれて、私は桐谷さんの事をしおんと呼ぶようになりました。どこか自然に、笑えるようになったけど、まだ無理そうです。





「架澄〜!」



しおんは私に抱きつきながら明るい声で喋りかけてくる。



「どうしたの?」


「あのさ、次の休みみんなで出かけない?」



みんなというのは、私、しおん、ナツ君、結城君のこと。



「いいよ〜!どこいくの?」



「ランド!架澄は絶叫乗れる?」



「もちろん!」



「良かった〜、じゃあお昼行こっか!あいつらに席取らせといたから!」



「オッケー!」



食堂では確かにナツ君と結城君がいて、私たちの席をとっていてくれていた。



「ごめんね」



「別に」



そういえば、しおんと結城君って幼馴染なんだよね。



勝手に推測したら悪いけど、結城君はしおんのことを結構大事に思ってると思う。恋愛かは分からないけど。


2人には、友達よりもかたい絆があって、多分私とハルみたいにお互いの間合いを分かってるんだろう。




なんか羨ましい…




「志緒、今日京兄帰ってくるって」



「え!?ウソ!!」



「ホントホント、おれが嘘ついたことある?」



「ない!!」



こんな間合いは、まさに幼馴染だ。