それ以上は、空気が聞いちゃダメだって言ってた。




今まで見たことないような、切ない顔。




ジュースを飲みながら、桐谷さんは遠くを見てた。




叶わない恋なのかな?



私みたいに。



私みたいな経験はしてるのかな?




でも相手がもし生きてるなら、すごい羨ましい。だって、好きな人が生きてる限り、恋は叶わないなんてことないから。



「さ、戻ろ戻ろ〜」



桐谷さんは明るい笑顔を作って私の手を引っ張った。だけどそれが作り笑いってことは私には分かる。今まで作り笑いばかりしてきたから。