「仁科さん!ご飯、早く食べに行こうよ」



「うん」



急に現実に戻されて、少し混乱する。




もう2度と笑えないって思ってた。
でも、なんにも感じなくなった心がなにかを感じる。





楽しかった日々と、重なる。



みんなで笑ってた日々が、重なる。




この人達はいつかあの人達みたいに私を裏切るかな…



でも。今だけは優しさに甘えさせて。
今だけは、あの日のみんなの優しさと重なるこの人達に甘えたい。




「仁科さん何食べたい?」




「ハンバーグ食べたい」




「じゃあファミレスレッツゴー!おごりは夏木ね!」




「なんでだよ!?」




「「「ごちそうさまです」」」




この人達といると、いつかいつでも笑えるようになるかもしれない。