あの日。ハルが死んで始めて学校に行った日。




「仁科さん」



担任に話しかけられて振り返る。
担任の顔は、いかにも同情しているような…



「おはようございます。小林先生」



「おはよう。大変だったわね、色々と。立ち直りづらいかもしれないけど相談あれば先生聞くから」



心が冷えて行った。まるで自分はいい担任って言うように。なんで私の心の傷をえぐる。あんたはなんてひどいことを笑顔で言う。




笑えない。あの日から1回も笑ってない。




「ありがとう…ございます…」




私の担任はなんてひどい人なんだろう。







教室も、私が入った途端静まり返った。



私に向ける目はなんだろう。
冷たい嫌悪、同情、好奇心…




ああ…冷たい。




美奈に睨まれているのが分かる。
いたたまれなくて美奈の方を見れない。