「仁科さん!今日は仁科さんがジャンケンしない?」



「え?」



桐谷さん達は最近毎日ジャンケンをしている。ジャンケンは男子1人VS女子1人で負けた方が職員室に部室の鍵を返しに行くというルール。




確かに職員室には行きづらい。
あの暗くて重い空気は私も嫌い。



ジャンケンしない?と聞いて来てくれる桐谷さんは私がみんなに打ち解けるように、とか思ってくれてるんだろうな。



「うん。する」




「よし来た!今日の相手は夏木だよ〜」




自慢じゃないけど、ジャンケンは結構強い部類に入る。それこそ小学生のときはクラスのジャンケン大会的なので優勝したり、とか。




「最初はグー。ジャンケン…」




私はチョキで、夏木君はパー。




「うわー…。職員室、行きたくねぇ…」




「あんたが負けたんだからしょうがないでしょ!ほら、さっさと行った行った!」




しっしと追い払う桐谷さんとお前だけで行ってきてという結城君。




3人はとても楽しそうにじゃれあってて、少し羨ましい。