放課後になって、体育館に行くと先輩達が笑顔で迎えてくれた。




「見学の子?」




「はい!よろしくお願いします」




「こちらこそよろしくね。何組なの?」




「A組です」



「A組なら今日から夏木君と結城君が来てるよ」




夏木君には聞き覚えがある。夏木翔。私の前の席の人だ。




「今日は体操服とか持って来てる?」



「あ、持って来てないです」





「私も忘れちゃいました」




「オッケー。じゃあ体験は無理だから見学していってね」




「「はい」」




バドミントンのプレーを見ているとどこか懐かしい気分になる。




部の雰囲気もよくて、楽しそうだった。




そして。


プレーをしてる、ハル。


「……っ………!」




一瞬、ハルが生き返ったかと思った。
ハルがバドをしているように見えた。
瞬きしてみると、ハルに見えたのはハルじゃなくて夏木君。





「仁科さん?どうかした?」



「ううん。なんでもない」



ハルに重なった夏木君は必死にシャトルを返してた。