学校はとても明るかった。



きゃあきゃあ騒ぐ女子の声や男子の声。
先輩達が部活の勧誘に来ている。




私はひとり、机に座っているけど。
ここに私の過去を知る人はいない。



カタチだけでも仲のいい子をつくっておいた方がいいかな?



そう思ってもできないのは、やっぱり過去に縛られてる証拠。
情けない自分が嫌になる。




早めに友達をつくっておかないとクラスで完全に孤立してしまうのは過去の経験から知っている。




そんなある日、HRで自己紹介することになった。




名前と趣味と入りたい部活を言うだけ。
それでも最近人前にでていなかった私はすごい緊張した。




「仁科架澄です。趣味は読書で入りたい部活はバドミントン部です。よろしくお願いします」



ちゃんと声を出せたか不安。