学校に復学して、みんなの私を見る目は変わった。



同情。美奈のようなハルを殺した私への嫌悪。好奇の目。


1人で行く学校は、どんなときよりも寒くて、さみしかった。



美奈とは1度も話してないし、目も合わせていない。




私が失った大事なものは、ハルと美奈と心安らげたはずの友達。





全てを失って、世界が真っ白になったみたいだ。





友達の所に行くと「大丈夫?」と言われ、人に呼び出されると「宇川君はあんたのせいで死んだのよ!」といわれ、移動教室の度に「あの子が…」と言われ…





心が凍っていくのを感じた。





なんとなく友達とも距離ができて、私は1人でいることが増えた。




今までならさみしさをかんじたかもしれない。でも今は何も感じない。むしろホッとしている。






愛想笑いしかできなくなった心。




目標も消えてしまった。





ただ毎日を勉強と部活で過ごす日々。





部活は辞めれなかった。ハルのラケットが、私に辞めるな。と言っている気がしたから。バドをしているときは、ハルが生きているような気がするから。





でも、勉強は。





西京寺に行くことが怖くなった。
パンフレットを見る度にハルの未来を奪ったことを考えて泣いてしまう。
西京寺の制服を見ると罪悪感に襲われる。




もう、西京寺に行きたいと思えなくなってしまった。それでも目標もなく続ける勉強。