どれだけ泣いたか分からない。
ただ、涙は枯れなかった。




「すみちゃん、晴人はきっと後悔してないわ…。だから、そんなに泣かないで…すみちゃんは笑ってて?晴人はすみちゃんの笑顔が大好きだったから…」





その言葉に、また涙が溢れた。




ごめんなさいごめんなさい。




告白した日に、ハルは死んだ。




私に残した言葉は、好きだよ。それだけ。たったそれだけでも、なによりも重い。




心が、張り裂けそうだ。





ただ、現実を叩きつけられて、泣くことしかできない自分がもどかしい。





もう、ハルの名前を呼んでも、ハルは笑ってくれない。もう、私の名前を読んでくれない。もう、一緒に学校にも行けない。




こんなに普通の日常が愛しいものだとはじめて知った。




「は…ハルぅ…っ…!」





夕焼けに染まった病院。人々は皆静かで…




自分に黒い影がさして、うえを向いた瞬間、かわいた衝動が私の頬を走った。




「…美奈…」