目が覚めると、そこは真っ白な世界だった。夕焼けでオレンジにそめられていて、ぼんやりと照らされている。



ここは病院だ。



あれは、夢だったの?




「架澄!良かった!」




私を抱きしめるあたたかい腕は、





「お母さん…?」





「そうよ!架澄!良かった!」




お母さんのゆれる身体は多分泣いている。




お母さんが落ち着いたところで気がかりな、聞きたくないことを聞く。





「お母さん…ハルは…??」





お母さんは、顔色を悪くして、私に静かな声で言った。




「晴人くんはね…」





お母さんの言葉を聞いた瞬間、私は走り出していた。




足を怪我していたのだろう。すごく痛い。だけど、それでも。




ハルのいる所へ。





「おばさんっ!ハルは!?」




ハルのお母さんを見つけて、掴みかかる勢いで聞く。




「すみちゃん、目、覚ましたのね。良かった…」




おばさんの言葉に涙が溢れそうになる。




「晴人は…死んじゃった…」




お母さんから聞いた言葉がもう1度繰り返された時、私の涙は溢れ、身体の力が抜けた。





さっき聞いたお母さんの言葉。




『晴人君は…亡くなったわ…』





「ううっ…!ハルっ!ハル…っ!ごめんなさいっ…っ!」