目を閉じたハルの身体を揺らす。目を覚ましてよ。ねえ、お願い。




「ハルっ!ハルっ!ハルっ!」



目を、覚ましてよ…お願い…



気がつくと、ハルに唇を重ねていた。



もしかしたら、目を、覚ましてくれるかもしれない。


その可能性に賭けたかった。




だけど、ハルは目を覚ますことなく。
だんだん、ハルの唇が冷たくなってきた。そして、ハルの身体も。




やめて、やめて、やめて!



ハル、どうして。どうして私を助けたの。



かみさま。私達が何をしたの?




ねえ。ねえ。



もうどれだれ呼んでも目を覚まさないハル。冷たくなる身体。



そして、



はらはら降り始めた、初雪。


雪は、ハルの血で溶けていった。