車が急ブレーキをかけている。




思いっきりハルに突き飛ばされて、地面に叩きつけられる。



「…っ…!!」





身体中が痛い。




でも。





「ハルっ!!」





なによりも、心が痛い。





目の前には、車にひかれて、動けない、ハル。




私を、助けたの?どうして?どうして?





重い身体をひきずってハルの所に行く。
身体のあちこちから血を出して、それでも、かすかに笑ってる…





「かすみ…好きだよ…」





小さな、掠れた声。





涙で顔がぐしゃぐしゃになって、何も見えなかった。



でも…




「私も…好きだよ…!」




ずっと言えなかった言葉。





ハルは、さっきよりも優しく微笑んで、目を閉じた。