「好きな人っている?」



一瞬、ハルの顔が動揺したのがわかった。




怖い。けど逃げない。今日告白しないと、もう2度と勇気が出ないかもしれない。





「…いるよ…」





長い沈黙のあと、返された答え。





「え…」




心臓が、どくんと1拍子おいた。





「それは…誰…??」






誰と答えるの?ねえ。





横断歩道を渡りながらハルの顔を覗く。ハルの瞳は真っ直ぐ前を見ていて、私を向いた。





「それは…かすみっ!!!!」





今までに1度もきいたことのない、怒鳴り声。どうしたの?そう思った矢先。




顔を上げると、目の前には、大きな、車。