いつも帰る帰り道。ハルの隣でいれる時間。



まきちゃんの告白を断ったという話は聞いたけど、心はもやもやは晴れなかった。



冷たい風が顔に当たって痛い。



ハルは財布をみて肉まんを買うか買わないかブツブツ言ってる。



「何がたかが肉まん一つでブツブツ言ってんのよ」



「今月金欠なんだよ。今日肉まん買うか、ちょっと貯めてフライドチキン買うか…」



ちっちゃいことで悩むハルが少し微笑ましい。心のもやが取れたわけじゃなかったけど、少し優しい気分になった。



「私フライドチキン買うからあんたが肉まん買えば?私とはんぶんこにすりゃいいし」




「はんぶんこってお前…」




ガキか?みたいに呆れるハルに頬が赤くなるのがわかる。




「いいでしょ別に!そんなこと言うなら買ってあげないよ!」




「それはカンベン…腹減った…」




この流れなら、聞けるだろうか。




好きな人いる?って。軽く聞けるはずの言葉。だけど、聞けない。