『性同一性障害。
身体は男の子やけど、気持ちは女の子。
あたしも仲良しやねん。』



本条は、黙ってしまった。




『なっ?それでもあの子、笑ってたやろ?』



本条の目から、涙が落ちた。



それまで本条と向かい合わせに座ってたあたしは、本条の隣に行った。



『あたしにやったら、言いたい事ぜんぶ言ってくれていいから。
今の気持ち、聞かせて‥。』




心に傷がついた人を救うには、この言葉が大切やって、保健室の先生から聞いた。