「ねぇ、色」


「ん?」


「…いや、やっぱり何でもない。」


「え、優、気になるからそういうのやめて?」


「僕が言わなくてもそろそろわかる…―」


―――ガラッ


担任と思われる人が教室に入ってきた。


見た目からすると30代前半ぐらいの女性に見える。


「はーい、皆席について。
転入生を紹介するわよ、さっ、入って。」


「…失礼します。」


入ってきたのは、僕達の知っている女性…


「ゆ、優…言いたかったことって…」


「…そう、愛姫が帰ってきたことだよ。」


僕は色々と聞きたげな色に、ただ一言だけ返した。