「そして現在に至るわ。」


気がつくと、時計は10時を回っていた。


それに、さっきまで小雨が降っていたはずだったが、すっかりやんで綺麗な星空が見えていた。


「…なるほど、ね。」


僕はそうつぶやいたあと、一つの疑問が思い浮かび、愛姫に尋ねてみた。


「愛姫のお母さんは…?」


「…それに関しては明日にしましょう。今日はもう遅いから。」


「あぁ…それもそうだね…。」


そしてしばらくの沈黙。


僕はこれ以上ここにいてはいけない、と感じ椅子から立ち上がった。


そして無言で出ていき一人で帰ろう、そう思った…その時。


「優兎 …」