「久しぶりの日本だわ…。」


私が帰ってきた頃の日本は、綺麗な紅葉がたくさんあり、また、道にはどんぐりや松ぼっくりなどがおちていた。


「愛姫は…お嬢様はこれからどうするつもりですか?」


「そうね…、とりあえず家に帰るわ。それと…」


「それと?」


「優兎に…優兎にだけは連絡をとっておきたい…かな。」と言った後、『色にも本当は連絡したいのだけれど、連絡先覚えてないのよね。』と心の中で付け足しといた。


「柚志亜」


「何ですか、お嬢様?」


「一緒に日本に来てくれてありがと。」


柚志亜は(どのように話したのかわからないけれど)両親の了解を得て、一緒に日本に来てくれたのだ。

・・
「いえいえ、これも執事の役目だと思えば全然気になさらなくていいんですよ。」


そんなことを言っている柚志亜だったが、目の奥の輝きが濁っていた気もした。