「え…何?嫌味?」
「嫌味じゃないよ、優w
あの子とか多分 優のファンの子だと思うんだけど?…てことを言いたかったんだけど…」
色が指さした方には、一人の泣いてる女子がいるだけであって、僕のファンではなく、色のファンだという可能性だってあるのだ。だから…
「やっぱり嫌味にしか…」
「優はバカなの?…あっ、いや、鈍感なだけなのかな?」
「色…バカにしてるの…?」
「まぁ、それはともかく、あの子の手の甲に書いてある字読める?」
「…読めない、色みたいに目よくないし…」
「…優、怒らないで、ね?」
「怒ってないよ、色。
どうせまた、いつもの冗談でしょ。」
「それは優もでしょ?
見えてるんだったら、正直に読んでみなよ。」
正直に…か、まぁ、本当にちゃんとは見えていないのだけれども…
僕は 手の甲の字を正確に読むためにじっ…と見つめた。