「―…っ。」


「愛姫しっかりして…、お父さんきっと助かるから…ね?」


「うん…ありがとう、柚志亜…本当にありがとう…。」


あの後、私はパニックになってしまい、真っ先に柚志亜に電話をしていた。


柚志亜は、私の話を聞いて少し間をあけてから「私も一緒に行ってあげるから救急車呼んどいて。」とだけいって電話をきった。


そして柚志亜と合流し現在に至っている。


「…にしてもいきなりすぎるね。もしかしたら病気進行してない…なんて嘘だったのかも…」


「…どうして…どうしてそんな嘘を…」


「愛姫に心配かけたくなかったんだろうね…。」柚志亜はそう呟いた後、一言も話そうとしなかった。


私もなんだか不安で落ち着かなかったため、ただただ心の中でお父さんの無事を祈っていた。