予想通りの答えだったのか、柚志亜は何も言わずにただ頷いてくれた。


「ありがとう、柚志亜。本当にあなたがいてくれて助かったわ。」


そう私がつぶやいた時には、雨もあがり綺麗な青空が広がってた。


「…さてと、柚志亜にこれ以上迷惑をかけていられないし、そろそろ帰らないと…。」


「愛姫のお父さんも心配してるだろうしね。送っていくよ。」


「え…いや、柚志亜、私、一人でも帰れるよ?」


「また迷子になったりしたら困るから…ほら、行くよ。」


「ちょっとまっ…」


私が断ろうとするよりも先に、柚志亜は私の手をひいて走り出した。


そして、小さな声でこうつぶやいた。


「愛姫は私にとって命の恩人なんだから、少しは迷惑かけてくれてもいいのに。」


その声は私の耳には届かなかった。