「…ここ…は…」
私は確か、柚志亜の家に行くために家を出てきて、それでその途中、道に迷って、それで…―
「目が覚めたみたいだね。」
「…柚志亜?」
「うーん…もう少し寝てた方がいいと思うよ。」
私は頭が混乱しだした。
確かに私は、柚志亜の家に行こうとしていたが、柚志亜の家の場所なんて知らなかったはずだ。
なのに今、柚志亜と一緒にいる。
「愛姫、状況がつかめてないのかい?」
私は黙って頷いた。
「愛姫、道路で倒れてたんだよ。
多分、雨で体が冷えたんだろうね。
まぁ…ちょうどいい機会だし、私のことも話してあげるよ。」
私は黙って頷くことしかできなかった。