「そういえば、柚志亜の家なんて、私知らない…。」
家を出て数分たってからようやく気がついた。
どうしても誰かに話したい…という気持ちが強すぎて他のことなんて考えていなかったのだ。
「私馬鹿だな…しかも、天気悪くなってきたし…帰らないと…」
そう思った私は帰ろうとした…が、自分が今どこにいるのか分からなくなっていた。
「…とりあえず歩いてれば、家に着くよね。」
そう思った私はそこら辺を歩くことにした。
それから何十分たったのだろうか。
外はもう日が沈んでいて、雨が降ってきていた。
「もう嫌だ…誰か…―」
「…愛姫?」
誰かが私の名を呼んだ気がしたが、その時にはもう私は意識を失っていた。